繊細な調べで魅了 バイオリニストの佐藤さん 3小中学校で訪問演奏 宇検村

2022年07月13日

子ども・教育

佐藤さん(左)の演奏に聞き入る生徒ら=12日、宇検村田検

東京都在住のバイオリニストの佐藤美代子さん(79)が12日、宇検村の3小中学校で訪問演奏を行った。クラシックの楽曲などを演奏し、美しく繊細な調べで児童生徒らを魅了した。

 

佐藤さんは9、10の両日に奄美市笠利町の県奄美パークであったソロコンサートのため奄美大島に来島。宇検村須古の高齢者福祉施設「虹の園」の理事長で音楽療法士の前田キヨ子さん(76)=東京都在住=が招待した。

 

佐藤さんは9歳でバイオリンを始め、19歳でフランス・パリに留学。バイオリニストのガブリエル・ブイヨン氏に師事して腕を磨いた。パリを拠点に世界で活躍し、現在は日本各地で演奏活動を行っている。

 

同村の田検中学校(大脇和久校長、生徒25人)では、佐藤さんがクラシック計4曲を披露。音の高低で男女の会話を表現したカペーの「バイオリンソナタ第1楽章」や、難易度が最も高い楽曲の一つとされるパガニーニの「ラ・カンパネラ」などを力強く演奏した。

 

生徒らは、実際に楽器に触れて音の出し方を教わったほか、演奏に合わせて手拍子でリズムを刻む体験も行った。最後は佐藤さんの伴奏で、生徒らが元気よく校歌を斉唱。2年生の杉浦天さん(14)は「バイオリンを触ることができて楽しかった。きれいな音を出すのは大変なんだなと思った」と感想を話した。

 

佐藤さんは「熱心に集中して聞いているのが伝わってきた。自然の中で育った子どもたちは感受性が豊かだと感じた」と語った。