過去最多、県内感染者1517人 新型コロナ、奄美は11市町村160人

2022年07月13日

社会・経済 

新型コロナの新規感染者数が過去最多を更新したことを受け、見解を述べる塩田知事=12日、鹿児島市の県庁

新型コロナウイルスの県内の新規感染者数が12日、初めて1千人を超え、過去最多の1517人となった。奄美群島在住の感染者も宇検村を除く11市町村で計160人に上り、これまでで最も多く確認された今年5月7日の138人を上回った。塩田康一知事は「感染は離島を含め県内各地に広がっている。強い危機感を持って状況を注視したい」と述べ、改めて基本的な感染対策の徹底やワクチンの追加接種などを呼び掛けた。

 

県と鹿児島市の12日の発表によると、奄美在住の感染者は奄美市58人、瀬戸内町34人、徳之島町19人、天城町14人、和泊町9人、喜界町と伊仙町が各6人、与論町5人、龍郷町4人、知名町3人、大和村2人。

 

県内自治体で新規感染者が多かったのは鹿児島市で693人、鹿屋市と薩摩川内市が各120人、霧島市が109人など。県外は4人だった。また、屋久島町の会食と南種子町のサークル活動で新たにクラスター(感染者集団)の発生が認定された。

 

県内では4月26日に新規感染者数が過去最多の974人に達し、5月も高止まりが続いたが、6月には200~400人台で推移した。県は「感染者数は緩やかに減少している」として、県内全域に発令していた「爆発的感染拡大警報」を6月29日に「感染拡大警戒期間」に切り替え、会食事の人数制限も条件付きで緩和した。その後、7月に入って感染が再び急拡大し、6日以降は5日連続で新規感染者数が800人を超えた。

 

塩田知事は12日、報道陣の取材に「10歳未満と10代、その親世代を中心に感染が拡大している。今後は重症化リスクの高い高齢者に感染が広がらないようにすることが重要になる」と強調。県の警戒基準については「医療提供体制が直ちに逼迫(ひっぱく)する状況ではない」として「レベル2(警戒強化)」を維持し、会食事の人数制限なども今のところ強化する考えはないとの考えを示した。

 

感染者の累計は10日に10万人を超え、12日時点では10万2567人。11日現在、医療機関に222人が入院し、885人が宿泊療養、5041人が自宅待機している。重症者はおらず、酸素投与が必要な中等症者は24人。