航空宇宙産業に理解深める 機械電気科対象に講座 奄美高校

2023年09月14日

子ども・教育

ネジの製造の様子を真剣な表情で見学する機械電気科の生徒ら=13日、奄美市名瀬

奄美市名瀬の県立奄美高校(脇浩一校長、生徒373人)で12、13の両日、航空宇宙産業について学ぶ講座があり、航空機やロケットの精密部品の製造を手掛ける小坂鉄工所(本社愛知県名古屋市)の社員らが講師を務めた。機械電気科の1、2年生が参加し、講演や機械加工の実演を通して航空宇宙に関わるものづくりの技術に理解を深めた。

 

講座は、生徒たちの進路選択の幅を広げ、航空宇宙産業への関心を高めてもらおうと同社が昨年から取り組んでいる。これまで沖縄県や愛知県の工業系の高校などで実施。奄美では初めて。

 

講演では、小坂鉄工所の生産技術部ものづくりアドバイザー、大内有司さんが精密部品の製造工程や種類などについて説明。同社が開発に携わるH3ロケットの特徴として▽低価格▽利用用途に合わせて設計などが変えられる柔軟性▽高い信頼性─を挙げ、「航空宇宙産業の開発に取り組むことは、日本のものづくり技術の向上や継承にもつながる」と語った。

 

後半、生徒らは部品を回転させながら加工する「汎用旋盤」を見学。1級機械加工技能士の遠藤芳実さんが、直径16ミリ、長さ15ミリのネジの製作工程を実演した。手動で溝を一本ずつ丁寧に刻む様子に、生徒らは真剣な表情で見入っていた。

 

田頭虹太さん(1年)は「(プロの)技術を生で見ることができてうれしい。航空宇宙にも興味を持てた。細かい技術をもっと学んでみたい」と話した。