記念碑の看板、児童らが制作 「ワイド節」作詞者の生家跡に設置 今里小(大和村)

2024年02月16日

子ども・教育

ワイド節記念碑の案内看板を制作した今里小の児童と職員ら=14日、大和村今里

大和村今里出身の中村民郎氏が作詞した、徳之島の闘牛がモチーフの新民謡「ワイド節」の記念碑を紹介しようと14日、今里小学校(中村利之校長、児童5人)の児童らが案内看板を制作した。記念碑は今里集落の中村氏の生家跡地にあり、昨年3月に村が設置。児童と職員は協力して、闘牛を描いた手作りの看板を完成させた。

 

ワイド節は、1978年に中村氏が作詞、唄者の坪山豊氏が作曲した。中村氏は当時、旧名瀬市の国立療養所「奄美和光園」にレントゲン技師として勤務しており、故郷を思う徳之島出身の入所者から「闘牛の歌をつくってほしい」との依頼を受け歌詞を手掛けた。

 

今里小では、児童らが郷土学習でワイド節を練習したり、曲の誕生秘話を劇にしたりと日ごろから学びを深めている。

 

14日は大和中の臨時職員で美術科担当の高橋正夫さん(74)が看板の制作を指導。縦横1メートルのアクリル板に闘牛の絵や「中村タミロー」「ワイド」の文字などを施した。スプレーを使い、頭突きを繰り出す荒々しい闘牛の毛並みも表現した。

 

5年生の福本秀太君(11)は「スプレーで(絵の)縁の部分を描くときに気を付けて色を塗った。ワイド節は元気で明るいところが好き」と笑顔で話した。

 

看板は生家跡地のブロック塀に設置予定。中村校長(61)は「ハンセン病患者の思いを汲み取って歌をつくった地域の先輩がいたことを、児童たちが次の世代にも伝えていってくれたら」と期待した。

中村民郎氏の生家跡地にあるワイド節記念碑=14日、大和村今里