身近な自然に興味深める 植物観察、標本作りも 鹿大の川西准教授が講義 奄美市の住用小

2023年09月23日

子ども・教育

採集した植物の標本を作る児童ら=22日、奄美市住用町

奄美市住用町の住用小学校(山美奈子校長、児童14人)で22日、希少植物に関する観察学習があった。講師は鹿児島大学の川西基博准教授。児童らは校内で草花の観察・採集や標本作成を体験し、身近な自然に興味を深めた。

 

学習は、児童らが地域の自然を守ろうとする気持ちを育むことが目的。川西准教授が今年3月に同校の敷地内で調査を行ったことが縁で初めて実施した。

 

標本の作り方について説明する川西基博准教授=22日、奄美市住用町※調整可

まず、川西准教授が、世界遺産に登録された奄美の自然環境について解説。住用川周辺や校内でも観察できる希少な植物の写真を見せながら紹介した。人間の生活には自然が深く関わっていることを踏まえ、「私たちはどうやって自然と暮らしていけばいいのか考えてみて」と児童らに呼び掛けた。

 

講義後は校庭に移動し植物観察。児童らは変わった形の草花を見つけると、種類や特徴について積極的に質問していた。標本作りでは、採集した植物の名前や日付などを記録。児童らは花や葉が取れないよう注意しながら丁寧に植物を新聞紙に挟み、水分を取り除くために重しを載せた。

 

標本の完成時期は植物が含む水分の量によって異なるため、定期的に新聞紙を交換するなど手入れや経過観察が重要だという。4年生の森岡莉緒さん(10)は「クサギとツルマオの標本を作った。難しかったけど楽しかった。上手にできたらいいな」と笑顔で話した。