銀座もとじが出前講座 龍郷町の大勝小

2019年06月21日

子ども・教育

柳と泥で染めた布を大勝小児童に紹介する泉二啓太さん(左)=18日、龍郷町

柳と泥で染めた布を大勝小児童に紹介する泉二啓太さん(左)=18日、龍郷町

 龍郷町の大勝小学校(佐東忠仁校長)で18日、東京都中央区で和装販売3店舗を展開する㈱銀座もとじ(泉二弘明代表取締役)の出前授業があった。大勝小は来月、同社の橋渡しで東京・銀座の泰明小学校と泥や草木染め体験を通した交流事業を計画している。児童たちは交流を前に、大島紬の染色法や銀座の歴史、同社が手掛ける柳を使った染色・柳染めなどについて学んだ。泉二代表は大勝小の卒業生で、泰明小は同社常務取締役で泉二代表の長男・泉二啓太さん(34)の母校。

 

 同社によると、明治期の銀座には街路樹に多くの柳があったが、関東大震災や東京大空襲などでほとんどが失われた。銀座のシンボル・柳の復活を目的に、有志が1984年から柳の植樹を続けている。

 

 同社は98年から泰明小で柳と泥を使った染色体験の授業を始め、2008年に大勝小に柳の苗木を寄贈。当時の児童が、大勝小の校内に植樹した。

 大勝小と泰明小は17年度から交流を始め、それぞれの学校で泥や草木などで染色したハンカチを贈り合い、インターネットのテレビ会議システムも使って親睦を深めてきた。

 

 今回の授業では啓太さんがこれらの経緯を、龍郷町の前田紬工芸の前田圭祐専務取締役(32)が泥染めの工程を5年生22人に説明した。啓太さんが柳で染めた布の実物を見せると、児童たちは、興味深そうに観察していた。

 

 大勝小5年の大坪柚南さん(11)は「銀座の学校ではどんな行事があるのか聞いてみたい。ハンカチはきれいな模様に染められたらいいな」と交流事業を楽しみにしていた。 両校は本年度、7月10日にそれぞれの学校で染色体験を行う。その後、染めたハンカチを交換する予定。