高校生が企画、実践へ エコツーリズム講座開講 樟南第二高

2023年05月12日

子ども・教育

エコツーリズムについて説明する講師の西村千尋さん=10日、樟南第二高

天城町の樟南第二高校(牧園弘光校長、生徒219人)で10日、1年生対象の高校生版エコツーリズム講座が開講した。元長崎県立大学教授の西村千尋さん(58)を講師に迎えエコツーリズムの概要を学んだ。今後は2年間をかけて企画の立案やフィールドワークなどに取り組み、最終的には徳之島の特性を生かしたエコツーリズムの開発と実践を目指す。

 

講座は2021年4月に締結した「天城町と樟南第二高校の包括的連携協定」に基づいて開催。協定は同校生徒が学習の一環で町政へ参加、協力する内容で、これまでにも同校工業科の生徒がごみ回収ボックスを製作して町内各集落に設置した実績がある。

 

西村さんは伊仙町犬田布出身。現在、奄美群島エコツーリズム推進協議会有識者委員を務める。初回の講座では講座の趣旨やエコツーリズムの概要について説明。「自分たちでゼロからつくるものなので正解も不正解もない。失敗を恐れずに積極的に取り組んで」と呼び掛け、「最終的には徳之島の魅力について自分の言葉で語れることを目標にしてほしい」とまとめた。

 

講座は総合的な探究の時間を活用して2カ年で計16回実施する予定。受講した清水雅さんは「これまで地域について知る機会があまりなかった。この講座を機に自分が住んでいる徳之島のこと、地元の(伊仙町)上面縄のことをもっと深く調べてみたい」と語った。

 

西村さんは「エコツーリズムに特化して高校生たちと取り組むのは群島内でも初の試み。高校で学ぶことで小中高と一貫して地域について学習することができる」と意義を強調し「将来的には島の若者たちの職業選択の一つにエコツアーガイドを加えられたら」と期待を込めた。