黄色いハンカチで命を守れ きょう「交通事故死ゼロを目指す日」 低学年を中心に定着・普及図る 名瀬小

2022年09月30日

子ども・教育

黄色いハンカチを掲げて横断歩道を渡る名瀬小の児童ら=21日、奄美市名瀬

30日は「交通事故死ゼロを目指す日」。この日に最終日を迎える秋の全国交通安全運動の期間中、奄美群島でも各地で街頭キャンペーンなどが行われた。奄美市の名瀬小学校(上村英樹校長、児童328人)は今回の運動で、児童が横断歩道を渡る際に黄色いハンカチを掲げる「命を守るスマイルハンカチ」の取り組みを開始。登下校中の安全対策として、低学年を中心に校内での定着・普及を図る。

 

黄色いハンカチを掲げて横断の合図を示し、歩行者・ドライバー双方の安全意識を高めることが目的。今年2月から3月にかけ、県本土で登下校中の児童生徒が車にはねられる事故が相次いだことを受け、安全対策として上村校長が提案した。

 

ハンカチは明るい黄色で縦横20センチ。指を通すリボンが付いており、横断歩道を渡る際に手に装着する。普段はランドセルの側面に掛けておくなど、気軽に身に付けられる。

 

ハンカチは21日に同市であった交通安全の街頭キャンペーンに参加した2年3組の児童21人に配布。モデル学級として、登下校中の装着を実践している。同校では今後、低学年を中心に一人1枚ずつハンカチを配布し校内で普及を図る予定だ。

 

黄色いハンカチのアイデアは、上村校長が10年ほど前に訪れた長野県での取り組みからヒントを得た。「登下校中の小学生が黄色く目立つ布を掲げていて、これはいいと思った」と上村校長。「体が小さい低学年でも、手を上げてハンカチを見せることで横断の意思表示ができる。ドライバーの意識向上にもつながるのでは」と効果に期待する。

 

「命を守るスマイルハンカチ」の名称は2年生の児童らが考えた。鹿児島県警が推進する取り組み「スマイルコンタクト」が命名の由来。歩行者が巻き込まれる事故の防止や横断歩道での車の停止率向上のため、県警は歩行者とドライバーがハンドサインや笑顔でコミュニケーションを取ることを呼び掛けている。

 

上村校長は「子どもたちは自分の命を自分で守り、ドライバーも優しい気持ちでハンドルを握ってほしい。黄色いハンカチが交通事故のない島を実現するきっかけになってくれれば」と語った。