8高校で卒業式 「マスクなし」対応分かれる 奄美群島

2023年03月01日

子ども・教育

マスクを外して入場する大島高校の卒業生たち=28日、奄美市名瀬

奄美群島の定時制を含む高校8校で28日、2022年度の卒業式があった。

 

「マスクなしを基本」とする文科省の通知を受け、各校では式典中のマスク着用を個人の判断に委ねたり、入退場・卒業証書授与以外では着用を呼び掛けたりと対応が分かれた。各会場では感染対策として手指消毒や換気などを徹底して式を開催。コロナ禍でさまざまな制限を経験しながらも、たくましく成長した3年生の門出を祝福した。

 

奄美市名瀬の県立大島高校(黒木哲二校長)では、第74回卒業式を体育館で実施した。教職員や一部の在校生、保護者らが見守る中、3年生214人は素顔を見せて入場。式典中はマスクを着用した。卒業証書は各クラスの代表者が受け取り、国歌・校歌は斉唱せずに静聴のみとした。

 

黒木校長は式辞で「立ちはだかる壁を乗り越え、生き抜く力が皆さんには備わっていると信じている。試練こそが自分自身を成長させるチャンスと捉えて自分の道にまい進して」と激励。在校生代表の送辞では生徒会副会長の泉美乃さん(2年)が「先輩方が残してくださった揺るぎない大高魂を私たちが大切に守っていく」と伝えた。

 

卒業生代表の答辞では、前生徒会長の田代豊秀さんが「思うようにいかないことばかりだと感じても、限られた中で最大限の楽しみ方を模索した。高校生という若い時期にコロナ禍を経験したが、この3年間だったからこそ得られた学びもある」と高校生活を振り返り、涙をこらえながら周囲の支えに感謝を述べた。