小里総理補佐官が来島 島内関係者交え意見交換 輸送コスト助成など要望 徳之島

2024年05月02日

政治・行政

徳之島の農業関係者らと意見を交わす小里泰弘内閣総理大臣補佐官(左)=1日、徳之島町役場

小里泰弘内閣総理大臣補佐官(65)を交えた意見交換会が1日、徳之島町役場であった。国土交通省、農林水産省、県、島内の農業、観光関係者ら計20人が参加。島の農業、観光の現状について報告があり、離島振興の鍵となる輸送コスト軽減のために助成を求める意見が上がった。

 

小里氏は霧島市出身。2005年に衆院議員に初当選し、現在6期目。自民党農林部会長、農林水産副大臣などの要職を歴任し、現在は総理補佐官として農山漁村地域活性化担当を務めている。

 

徳之島への来島は地域活性化の現状把握が目的。小里氏一行4人は同日、県本土から空路で徳之島入りし、農業関連施設など6カ所を視察した。

 

意見交換会は車座で行われ、島内からは高岡秀規徳之島町長や徳之島観光連盟、徳之島農業経営者クラブの代表ら計6人が参加。主に農業、観光における徳之島の現状や課題について意見を交わした。

 

島内関係者からは▽子牛価格の下落▽資材や燃料の価格高騰▽宿泊施設不足―などの問題点が挙げられ、いずれも輸送コストが産業振興の障壁になっていると指摘。高岡町長は「奄美群島だけでなく全国の離島共通の問題。国策として取り組む必要がある」と強調した。

 

小里氏は徳之島が取り組むべき課題として▽サトウキビ生産と畜産の連携向上▽農業を活用した新たな観光資源の掘り起こし―などを提案した上で、「輸送コストが諸問題の根本にあることに強く印象を受けた。いただいた意見をもとに議論して成果を現場に届けられるよう努めたい」と語った。

 

徳之島来島は3回目という小里氏は「視察先では人手不足などに苦労しながらも課題を克服しようと努めている数々の取り組みを知ることができた。現制度の改善や新制度の創設も意識しながら地域活性化の方策を探っていきたい」と展望を述べた。

 

徳之島農業経営者クラブの竹田邦男副会長は「飼料高騰と子牛の買い取り価格の低迷で島内の生産者は窮地にある。島の現状を政府に直接届けられる貴重な機会になった。伝えたいことはまだたくさんあるので小里さんは毎年徳之島に足を運んでほしい」と期待を込めた。

小里氏は同日に空路で奄美大島入り。2日は奄美市、龍郷町などで計5カ所を視察する予定。