情報共有で地域課題解決へ 徳之島町

2023年04月13日

政治・行政

協定書を手にする(右から)高岡秀規町長、田中優成代表、右山徹哉代表、谷村直紀代表=12日、徳之島町役場

徳之島町は12日、アクリート(本社東京都、田中優成代表取締役社長)、テクノミックス(本社熊本県、右山徹哉代表取締役社長)、アライアンス(本社鹿児島市、

谷村直紀代表取締役)の3社と「社会課題解決及び子どもの安心安全に係る包括連携協定」を締結した。3社が展開する携帯電話のメールサービスや生命・損害保険業務などで蓄積した人的・知的資源を活用。不審者情報や災害発生時の安否確認、町民と行政との情報共有化などを促進し、地域全体での青少年育成や課題解決に取り組む。

 

アクリートは携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)を活用した事業を展開。テクノミックスは、学校と児童生徒の保護者間で情報共有に用いられる「学校安心メール」のサービスを提供している。保険業を取り扱い、県内離島の情勢にも詳しいアライアンスを加えた3社で徳之島町の行政や学校のデジタル化、情報共有促進などに取り組む。

 

町役場であった協定締結式には、高岡秀規町長と3社の代表が出席。締結の第一歩として、メールサービスを展開するアクリートとテクノミックスの2社が町職員間の情報や地域情報の発信のための情報共有アプリなどを、町側に無償提供。将来的には、町民全体に情報をスムーズに発信できるシステムの構築を目指す。

 

3社と自治体による連携協定は同町が初めて。アクリートの田中代表は「学校と保護者をつなぐ情報共有のメールサービスはあるが、対象を地域全体に広げるのは全国でも珍しい試み。地域課題の解決につなげられるようにしっかりと取り組みたい」と意欲を込めた。

 

高岡町長は職員間の情報共有や住民への周知がうまくいかない例があることを説明した上で、「情報共有体制をしっかりと構築することで地域振興や住民サービスの向上につなげたい」と協定の効果に期待した。