慶応大生が表敬訪問し提言 調査まとめ課題解決の糸口探る 島の未来について意見交換も 徳之島町

2023年09月27日

政治・行政

高岡秀規町長(右席奥)と徳之島の未来について意見を交わす慶応大の学生(左席)=25日、徳之島町役場

【徳之島総局】調査研究のため徳之島に来島した慶応義塾大学の学生らが25日、徳之島町役場を訪れ、高岡秀規町長を表敬訪問した。学生らは島内での調査を基にまとめた島の現状や課題を示した上で、その解決策などを提言。高岡町長、幸野善治副町長らと意見を交わして少子高齢化や雇用創出など地方が抱える課題解決への糸口を探った。

来島したのは同大経済学部の橋口勝利教授(48)とゼミ生8人。同ゼミは「地域活性化へ向けた歴史的研究」をテーマに昨年初めて徳之島で調査を実施した。来島は昨年に続き2回目。

 

表敬訪問では学生らが「徳之島の地域振興の課題」と題してプレゼンテーションを実施。起業支援などで官民が協力していくためには、「縦割り体質の改善など行政が率先して民間への手本となる改革に着手するべき」などと町へ提言した。

 

さらに現在、島の主要品目となっているバレイショについて「他産地との競合が激しく安定した産業とは言えない」と指摘。高岡町長は「防疫上の問題で本土に出荷できないサツマイモなどを鹿児島県産ではなく琉球産として沖縄に供給できないかと考えている」などと自身の構想も述べた。

 

同大経済学部の飯塚隆行さん(21)は「同意してもらえる提言もあってうれしかった半面、町の方々の予想を超えるようなアイデアが出せなかったことが少し残念」と意見交換を振り返り、「地形や海の色など、徳之島には本土の田舎とはまったく違う魅力がある。私たちの調査研究を通じて少しでも徳之島への関心が高まってほしい」と期待した。

 

高岡町長は「都会の若い学生が徳之島のことを勉強し、短期間の調査で島の現状を的確に捉えていたことに感心した。われわれ行政も学生たちの提案をより具体的に確実に実現していけるように努めたい」と語った。

 

学生らは25日空路で徳之島入り。26日は徳之島高校で「島の未来」「これからのキャリア」などをテーマに高校生との学習交流会も開催した。27日まで島内で調査を実施する予定。