運賃軽減、路線拡大へ連携 沖縄郷友会と交流促進 奄美首長ら意見交換 那覇市
2025年01月30日
政治・行政

航空運賃軽減や路線拡充、青少年育成などの意見が挙がった奄美群島12市町村首長、議会議長と沖縄県の郷友会の意見交換会=29日、沖縄県那覇市
奄美群島12市町村の首長、議会議長と沖縄県内の各郷友会組織との意見交換会が29日、沖縄県那覇市内のホテルであった。奄美、沖縄の人的交流や観光振興に直結する航空運賃のさらなる軽減や路線拡大などの課題、次世代を担う青少年育成などについて意見を交わし、これらの課題解決へ奄美、沖縄が連携して取り組んでいく姿勢を確認した。
意見交換会は沖縄奄美連合会が主催。奄美の首長、沖縄の郷友会のほか、鹿児島、沖縄両県の行政関係者ら約70人が出席した。今年3月に改正された奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)の基本理念に「沖縄との連携」が明記されたことを踏まえ、「沖縄と奄美の連携について」をテーマに意見を交わした。
意見交換に先立ち、沖縄名瀬会の東時生会長は「この機会に意見交換した内容が奄美、沖縄双方で共有され、交流が広がれば」、奄美群島広域事務組合管理者の安田壮平奄美市長は「先人たちが築き上げてきた沖縄と奄美群島とのつながりを礎として、奄美群島と沖縄の連携による振興発展に向けてまい進する」などとあいさつした。
与論町の田畑克夫町長は、昨年7~10月の与論―那覇の搭乗率が93%だったことを受け、同日航空会社へ増便の要望活動を行ったが、機材繰りの観点から難色を示されたと報告。「沖縄から与論に行きたくても来れない現状にあるが、一つの町で要望してもなかなか通らない。奄美群島と沖縄県との連携によって一緒に要望を」と呼び掛けた。
奄美・沖縄間経済等交流推進研究会の岡江保彦会長は、奄美大島と関東、関西を結ぶ格安航空会社(LCC)の路線と比べて高い沖縄への運賃、奄美と沖縄を結ぶ路線の少なさなどを人的交流の阻害要因に挙げ「奄美と沖縄の交流を促進するためにも、運賃軽減と便数を増やす、直行便を運航できるよう、行政、議会の尽力を」と訴えた。
沖縄与論会の福廣之進副会長は県内のサッカー、バスケットボールのプロチームを生かした、児童生徒のスポーツ交流を提案。高岡秀規徳之島町長は同町が沖縄県で実施する子どもの体験事業での各郷土会の協力を求めた。
このほか本場奄美大島紬を活用した経済交流、若者世代への奄美黒糖焼酎推奨などの提案もあった。
30日には名護市で奄美・やんばる広域圏交流推進協議会の総会、事業報告会、交流会もある。