「アトリエ・ハウス」が完成 町営住宅、活性化に期待 入居者が自由にレイアウト可能 天城町当部

2022年10月16日

政治・行政

当部集落に完成した町営住宅「アトリエ・ハウスinTOVU」=15日、天城町

【徳之島総局】天城町が同町当部に建設していた町営住宅「アトリエ・ハウスinTOVU」がこのほど完成し、15日にお披露目された。世界自然遺産の森を臨む立地で、アトリエのように広い空間を、入居者が自由にレイアウトできるユニークな造りが特徴。町の関係者や地元住民らが植樹して完成を祝い、集落活性化に期待を寄せた。

 

山下社長(右)の案内で屋内を見学する住民ら=15日、天城町

町営住宅は鉄筋コンクリート造と木造を組み合わせた平屋建ての1棟2戸。延べ床面積は約158平方㍍。町が民有地約2千平方㍍を買い上げて建設した。建設費は約4750万円。

 

建築デザインは奄美設計集団(奄美市笠利町)の山下保博社長が手掛けた。外観は変形切妻形の屋根と琉球建築風の外柱が特徴。玄関とトイレ・浴室などの入り口以外に扉はなく、屋内全体を広いワンルームのようにイメージした。寝室は入居者が間仕切りできるように柱を備えた。

 

11月から入居開始。家賃は3万円。町によると、入居者の募集を7月初旬に開始し、島内外から4件の応募があった。1戸は移住を希望した愛知県在住の30代夫婦が入居予定。残り1戸は抽選で決める。

 

同日は町関係者と地元住民など約40人が現地を訪れた。式典があり、森田弘光町長は「自然にマッチした世界遺産にふさわしい住宅。みんなで大事にしていきたい。入居者を地域の一員として迎えてほしい」とあいさつした。

 

当部集落(27世帯45人)の武田久夫区長(77)は「みんな喜んでいる。コミュニケーションを取りながら共同作業をしたり、助け合いながらやっていきたい」と話した。