世界自然遺産課を新設 関連予算に8500万円 市税、過去2番目に高い39億円計上 奄美市22年度予算案

2022年02月23日

政治・行政

奄美市は22日、2022年度当初予算案を発表した。一般会計は21年度当初比0・4%(1億1838万円)減の総額314億597万円で前年度並みとなった。主要な大型事業が完了したことで歳出の普通建設事業費が減額。歳入の市税は過去2番目に高い39億円を計上した。世界自然遺産登録後、初の予算編成となる22年度は機構改革で世界自然遺産課を新設し、関連予算17事業8500万円を盛り込んだ。

 

【歳入】全体の21・3%を占める自主財源は66億8994万円で、前年度当初比5・2%の増となった。柱となる市税の増加が主な要因。市税は前年度当初で新型コロナウイルスの影響を見込んで減額したが、その後の収納状況から「影響は想定ほど無かった」(財政課)と判断。22年度は6・1%(2億2926万円)増の39億5744万円を計上した。市税は16年度以降、順調な伸びを見せており、22年度は20年度の40億円に次ぐ規模となった。

 

過去4年連続で2億円を計上していたふるさと納税寄付金は、近年の決算状況を加味して過去最高の2億5000万円に設定した。

 

依存財源は1・8%減の247億1602万円で、全体の78・7%を占めた。このうち地方交付税は1・8%増の120億9321万円。市債は市民交流センター整備完了などで25・8%減少した。

 

【歳出】「義務的経費」は194億5484万円。うち全体の3割を占める扶助費は、障害者福祉費の伸びで0・8%増。借金の返済に充てる公債費は、本庁舎などの返済が始まった影響で3・3%増加した。

 

「投資的経費」のうち、普通建設事業費は市民交流センターや笠利中学校校舎などの整備を終えて5・6%の減。「その他経費」の物件費は平田土地区画整理事業の予算増などで6・2%増加した。

 

世界自然遺産推進費は38・4%増の8567万円とした。国が住用町に整備している世界遺産センターのインタープリター(自然解説者)育成事業、バイオトイレ活用による利用環境向上事業、奄美・沖縄こども環境調査隊交流事業などを展開する。

 

新型コロナ対策事業1億3072万円はワクチン接種や利子補給事業など。地方創生事業費は関連事業と合わせて7億4832万円を計上した。ふるさと納税活用事業費は17事業8489万円で、新たに通学路用防犯灯設置、県と奄美大島5市町村による「ほこらしゃ奄美音楽祭」などを計画した。このほか、全日本空輸(ANA)からの派遣人材を地域おこし協力隊に採用する考えを示している。

一般会計、7特別会計、企業会計を合わせた総額は487億5373万円。会計間の繰り入れ、繰り出しを除いた純計は458億1777万円で、1・1%の増だった。