住民と三反園知事が「車座対話」 喜界町

2018年08月14日

政治・行政

喜界島で初の車座対話を行い、住民の意見を聞く三反園知事(左)=13日、喜界町湾

喜界島で初の車座対話を行い、住民の意見を聞く三反園知事(左)=13日、喜界町湾

  三反園訓県知事と住民が意見を交わす「知事と語ろう車座対話」が13日、喜界町役場であった。同島では初めての開催で、住民代表24人(男性16人、女性8人)が出席。農業や子育て支援、防災対策など、さまざまな地域課題とその解決に向けた県政への要望を知事に直接訴えた。

 

 出席者は知事と向き合い、順に県政への要望などを伝えた。知事は県の方針や実施している取り組みを交えながら一人一人の意見に耳を傾けた。

 

 農業などの1次産業では「天候不良による抜港で曜日によっては4日以上船が入らず、出荷物の品質が落ちる。出航日程の調整をできないか」「船の燃料費が他の島に比べても高く、漁に影響している」「子牛のセリの時期が船の日程と合わず負担となっている」などの意見があった。

 

 子育て支援では保育師不足のほか、産婦人科医院などがない同島で妊婦が検診や出産のために島外へ移動しなければならない現状を訴える声があった。

 

 同島では2017年の豪雨災害時に道路の冠水や崖崩れによる通行止めで避難に支障が出た経験から、出席者から避難経路の確保を求める意見が多くあった。防災対策について三反園知事は「どの道路がどういう状況で冠水したのかなどまずは現状把握を進め、町と連携して対応する」と述べた。

 

 対話ではこのほか、空港設備の充実や、島内の住民に限定している航空運賃の離島割引制度を島外に住む出身者にも適応するよう求める声、加工品用の食材確保のための枠組みづくりなど、さまざまな要望が出た。

 

 三反園知事は「県政は県民が主役」と強調し「一緒になってよりよい鹿児島をつくり、次世代にバトンタッチしていこう」と住民へ語り掛けた。