地域創生戦略策定へ 笠利・住用の10年計画 両地区審議会が答申 奄美市

2025年03月26日

政治・行政

笠利・住用地区それぞれの創生戦略案を安田壮平市長に提出した勝眞一郎審議員長(右)と山下哲次会長(左)

奄美市の笠利・住用両地区の地域創生戦略審議会は25日、2024年度に各3回の会議を開いて取りまとめた笠利・住用版地域創生戦略案(戦略期間はともに25年度からの10年間)を安田壮平市長にそれぞれ答申した。戦略案には両地区の10年後の人口目標値や、ありたい姿(未来構想)、その実現のための具体的な取り組み、事業などを盛り込んだ。市は答申を踏まえて24年度中に戦略を策定し、市の施策に反映していく。

 

24年度は奄美市全体の総合戦略の策定作業も進めた中で、笠利・住用版の地域創生戦略は地区ごとの異なる課題や特性を踏まえ、それぞれの地区に特化した戦略としてまとめるもの。

 

笠利版は「ひととくらし」「しごと」「まち」の三つのカテゴリーごとに10年後のありたい姿を設定。「ひととくらし」では「笠利の魅力ある景観と伝統行事を守りつつ、地域住民、Iターン者、Uターン者みんなで協力し合い、活気ある地域コミュニティーが形成されている」と、ありたい姿を定めている。

 

「29集落の八月踊り・種下ろし実施率100%」や「空き家バンク登録件数50件(基準年度2件)」などの具体的目標値を設定。その実現に向けて行政がすべきことや、企業・団体、地域住民ができる取り組みなども盛り込んだ。

 

住用版は「自然を活用して稼ぐ」「災害に強い」「定住振興」の三つを基本目標の柱として掲げる。柱ごとの具体的な事業と、その達成に向けた短・中・長期の工程表も示した。

 

「定住振興」では、住用地区の抱負な水資源を活用した小水力発電事業の導入検討を盛り込んだ。短期事業として住用町内の河川で導入の可能性調査を行うとしている。

 

25日は笠利審議会の勝眞一郎審議員長と、住用審議会の山下哲次会長が市役所を訪れ、安田市長に戦略案を手渡した。

 

勝審議員長は「住民自身が自分ごととして、10年後の地域のありたい姿と、それを主体的に実現するための取り組みをまとめたもの。自分たちの言葉で笠利町の未来を語り、知恵を出し、汗をかき、互いに励まし、応援するような創生戦略」。山下会長は「住用の特色を生かした独自の効果的な創生戦略として策定した」などと述べた。

 

安田市長は「しっかり読ませていただき、それを一つ一つ市の事業に結び付けていきたい」と語った。