奄振6%増の200億円 交付金は前年並み確保 政府23年度予算案

2022年12月24日

政治・行政

政府は23日、2023年度予算案を閣議決定した。奄美群島振興開発事業関係(国土交通省一括計上分)は、公共、非公共合わせて前年度当初比6%(10億5300万円)増の200億3900万円。うち非公共で各種ソフト事業に充てることができる奄美群島振興交付金は、前年並みの23億7400万円を確保した。

 

奄振予算の公共事業分は前年度比6%(10億62万円)増の176億5900万円。増額について国交省は「農業農村整備で実施する喜界島の地下ダム建設工事が本格化するため」とした。

 

計上予算では、港湾整備に前年度と同額の15億8800万円を盛り込んだ。名瀬港と和泊港の岸壁防波堤整備などを継続する。空港は徳之島空港の無線設備や群島各空港のRESA(滑走路端安全区域)の整備、滑走路改良などを行う。空港の予算額は7200万円となっているが、別財源から6億5360万円を確保する予定で、総額は7億2560万円を見込む。

 

道路や橋、トンネルを長寿命化するための補修は、前年度並みの3億9900万円。道路環境では和泊町、与論町の県道無電柱化を継続し、通学路の安全確保のため和泊町などで歩道整備を実施する。

 

水道廃棄物処理では、宇検村と瀬戸内町の簡易水道整備などに5億6800万円を確保した。喜界町の一般廃棄物最終処分場の整備も進める。

 

農林水産基盤整備は13%(8億3900万円)増の総額71億3200万円。喜界島と沖永良部島の地下ダム整備を継続する。水産基盤整備で古仁屋漁港(瀬戸内町)、早町漁港(喜界町)の岸壁改良・防波堤整備を進め機能強化を図る。

 

社会資本総合整備(交付金)は、2%(1億2500万円)減の73億8900万円。社会資本総合整備として国道58号おがみ山バイパス事業(奄美市)関連費を計上したほか、防災分野で道路耐震補強や港湾の防波堤改良などを行う。

 

非公共は各種調査費を含め23億8000万円。奄振交付金では新規に「奄美周遊・沖縄連携観光の促進」を盛り込んだ。世界自然遺産登録により、観光面で連携強化の重要性が増した沖縄との運賃割引や、奄美群島全体への誘客・周遊を促進する事業を支援する。

 

このほか、農林水産物輸送コスト支援、航路・航空路運賃軽減事業、農業の平張りハウス整備、農業機械導入支援など農業創出緊急支援事業なども継続する。