奄美に血液備蓄所を 厚労省に要望活動 医師や奄美市議ら

2023年06月07日

政治・行政

伊佐新一厚労副大臣(前列右から3人目)に血液備蓄所設置を要望した参加者ら=5日、厚生労働省

【東京支社】県立大島病院麻酔科部長の大木浩医師や奄美市議、鹿児島県議らは5日、厚生労働省を訪問し、奄美地域への血液備蓄出張所設置を求める要望活動を行った。伊佐進一副大臣に高岡秀規大島郡町村会長名の要望書を手渡し、奄美の輸血用血液製剤供給状況の厳しさを強調。早期の備蓄所設置を求めた。

 

奄美群島では日本赤十字社から委託されていた奄美大島の民間の血液備蓄所が2017年度末に撤退。県立大島病院での血液の院内備蓄業務が行われてきたが、人員不足や廃棄血に伴うコスト増など負担が増加。本土からの血液輸送も時間がかかり、緊急時の対応も含め安定供給が困難な状態が続いている。

 

要望活動はこうした状況を受けて実施。大木医師のほか、窪田哲也参院議員=比例=、松田浩孝鹿児島県議、奄美市議会の与勝広、大迫勝史、栄ヤスエ、橋口耕太郎の4氏らが参加した。

 

伊佐副大臣との面会について大木医師は「費用を抑えるための提案や他地域での実例を紹介し、一定の理解を得られたと考えている。奄美のみならず、国内の離島やへき地が抱えている問題だ」と語り、早期解決に期待した。