奄美市、ネーミングライツ導入へ 群島初、振興会館など公共23施設

2022年11月24日

政治・行政

ネーミングライツ事業の対象施設となる奄美振興会館=21日、奄美市名瀬

奄美市は奄美振興会館(名瀬)や奄美体験交流館(住用)、あやまる岬観光公園(笠利)など市有23施設を対象にネーミングライツ(命名権)を導入する。奄美の自治体では初の試み。12月1日から命名権者の募集に関する要項を配布し、施設ごとの命名権に係る希望金額を公表する。事前相談の期間を設け、本申請の受け付けは来年1月4日から開始する予定。早ければ来年度から命名愛称を使用する。

 

ネーミングライツは企業などが、自治体が所有する施設の命名権を購入し、愛称を付ける権利。県内では、鹿児島市の県文化センター「宝山ホール」、県立鴨池陸上競技場「白波スタジアム」、県立鴨池野球場「平和リース球場」の県有3施設などで導入されている。

 

ネーミングライツの導入は安田壮平市長が掲げた公約の一つ。市プロジェクト推進課は「市の財源確保や、事業者の新たな広告媒体の活用による地域経済活性化などの効果が期待できる」としている。ネーミングライツで得られた収入は特定財源として、その施設の運営・管理に役立てる考え。

 

対象となる他の市有施設は、名瀬運動公園と太陽が丘総合運動公園(笠利)の各施設のほか、▽名瀬古見方多目的広場▽奄美海洋展示館▽名瀬公民館▽市民交流センター▽木工工芸センター▽内海公園(自由広場)▽ICTプラザかさり-など。

 

命名権者となる「ネーミングライツパートナー」の募集は公募型プロポーザル方式で行う。対象施設ごとに募集要項を定め、市ホームページなどで周知する。

 

市は対象となる施設を紹介するカタログ作成を進めている。奄美大島商工会議所や島外の郷友会組織にも協力を求め、命名権者を広く募集する方針だ。

 

愛称の条件は公共施設にふさわしく、親しみやすさや呼びやすさの観点から市民の理解が得られるもの。あやまる岬観光公園は愛称に「あやまる岬」を含めるなど、一部施設は追加条件を定める。

 

申請の受け付けは来年1月4日~2月28日。審査は庁内に設置する審査委員会で行う。具体的には、提出書類を基に応募資格や愛称名、契約期間、提案額(希望金額との比較)、企画書などの内容を総合的に審査し、優先交渉権者を選定する。

同事業に関する問い合わせは電話0997(52)1111市プロジェクト推進課官民連携推進室へ。