旧給食室を災害備蓄倉庫に 奄美市、グリーンストアと連携 欠航時の品薄抑制にも期待

2023年05月05日

政治・行政

災害備蓄倉庫として活用する旧金久中給食室=4日、奄美市名瀬

奄美市は2023年度、名瀬塩浜町にある金久中学校の旧給食室を災害備蓄倉庫として活用する。名瀬地区に5店舗を展開しているスーパー「グリーンストア」(里綾子社長)に貸し出し、普段から食料品などを保管してもらうことで、大規模災害の発生時などに、備蓄している物資を市側が迅速かつ安定的に被災地へ供給する。試験的な取り組みだが、市は「台風などで定期船が長期欠航した際の品薄の抑制にもつながれば」と期待。同社と連携し、より効果的な活用法を検討していく方針だ。

 

市と同社は2018年6月、「災害時における支援物資の供給に関する協定」を締結。災害発生時や災害の恐れがある場合、市の要請を受け、同社は食料品や日用品などの支援物資を提供することになっている。

 

金久中の旧給食室はコンクリート造り平屋。築41年で床面積は約170平方メートル。冷蔵、冷凍設備はないため、長期保存できない生鮮食品などの保管は困難だが、普段から一定量のインスタント食品や加工食品、生活用品を備蓄しておくことで、災害発生時などのスムーズな物資調達につなげる。倉庫の貸し出し期間は4月25日から来年3月末まで。

 

4月28日の記者懇談会で安田壮平市長は「緊急時のスムーズな物資調達に加え、定期船の長期欠航を見据え、島内に備蓄される物資の量を増やすのも重要なこと。倉庫に冷蔵設備などはないが、まずはすぐに取り組める試みとしてスタートした。効果を検証しながら、より良い活用を検討したい」などと説明した。

 

グリーンストアによると、倉庫に備蓄する品や量、活用開始時期などは協議中。大規模災害に備え、日持ちのいい食料品や飲料水、トイレットペーパーなど生活必需品の備蓄を想定しているという。