五穀豊穣など祈願 今年最初の与論十五夜踊 六十節も復活

2023年05月05日

地域

与論十五夜踊で、一番組が奉納した「二十四孝」=4日、与論町の地主神社

【沖永良部総局】旧暦の3月15日に当たる4日、与論町の地主(とこぬし)神社で今年最初の「与論十五夜踊」が奉納された。大和風の影響を受けた一番組と琉球風の二番組が交互に踊りを披露し、島の安穏と五穀豊穣などを祈願した。

 

関係者や観光客らも加わり、輪になって踊った「六十節」=4日、与論町の地主神社

2020年から新型コロナウイルス対策で規模を縮小して実施してきたが、今回は関係者や観光客らが輪になって踊る「六十節」が復活。人数制限も行わず、会場には多くの観光客や地域住民が集った。

 

与論十五夜踊は、1561(永禄4)年の創始。当時の島主が3人の息子を島内、琉球、大和に派遣し、一つの芸にまとめ上げたとされる。1993年に国の重要無形民俗文化財に指定され、旧暦3、8、10月の各15日に奉納されている。

 

この日踊り手たちは両組合同の雨乞い踊り「雨賜り(あみたぼうり)」を皮切りに、二番組の「一度いふて」、一番組の寸劇「三者獅子(さんばすう)」一番組の「二十四孝」など9演目を披露した。

 

初めて踊りを舞った橋本康宏さん(37)は「自分の踊りはまだまだだったが、歴史ある行事に参加できてうれしい」と笑顔を見せた。