朝木氏トップで初陣飾る 投票率63・31%、過去最低 新議員22人決まる 奄美市議選

2023年10月30日

政治・行政

29歳での初出馬でトップ当選を果たした朝木一仁氏(中央)と支持者ら=29日午後10時ごろ、奄美市名瀬金久町

任期満了に伴う奄美市議選(定数22人)は29日投票が行われ、即日開票の結果、新しい顔ぶれが決まった。トップ当選は最年少で2402票獲得した朝木一仁氏(29)=無所属新。過去4回行われた市議選で2千票を上回ったのは現市長の安田壮平氏(44)のみ。朝木氏は2位以下に大差をつけて初陣を飾った。新旧交代が進んだ一方、女性当選者は前回(2019年)と同じ2人だった。投票率は過去最低の63・31%で、前回を3・26ポイント下回った。

 

22日に告示され現職13人、新人11人の計24人が立候補した。開票作業は午後8時から名瀬小学校体育館であり、同10時35分に確定した。

 

当選者は現職13人、新人9人。政党別は自民5人、公明4人、共産1人で、政党公認候補は全員が当選。前回に比べて公明は変わらず、自民は半減し、共産は1減。無所属が増えたことで政党色の薄まりを印象付けた。

 

地区別は名瀬16人、住用2人、笠利4人。今回は現職が多く勇退した一方、新人が乱立し、票の読みにくい選挙となった。半面、盛り上がりに欠け、告示前から投票率の低下が懸念されていた。

 

朝木氏は若さと行動力を強みに、地道な草の根活動を展開。直近3回の市議選で、いずれも3千票余を獲得した安田氏が不在となった中、浮動票を最も多く集めたとみられる。自民県連青年局が運営する、ふるさとリーダー育成塾「かごんま造士館」8期生で、県議や他市町の議員など同期生らが来島し、応援に回った。

 

2位は議長経験者で5期目となる竹山耕平氏(49)=自民現。関連するグループ企業の支援や政党票を固め、選挙戦では市政への思いと4期の実績もアピールして上位を堅持した。

 

得票3位の﨑田信正氏(73)=共産現=は革新票をまとめ、19位の前回から躍進。4位は大庭梨香氏(59)=公明新=が続いた。最年長の川口幸義氏(81)=自民現=は、奄美市議会初の80代での当選で、4期目を決めた。

 

最下位当選者(22位)の得票は243票。1票でも少なければ法定得票数(242・69)に届かなかったため、ぎりぎりでの当選となった。

投票者総数は2万1549人。有効投票2万1357票、無効192票。当日有権者数は3万4036人(男1万6176人、女1万7860人)、前回に比べて1581人減少した。地区別の内訳は名瀬2万8526人、住用1014人、笠利4496人。