継続困難、解散を決定 清算人決め残余財産処分へ 瀬戸内町森林組合

2023年10月31日

社会・経済 

解散方針を巡り、議論を交わす瀬戸内町森林組合臨時総会=30日、瀬戸内町古仁屋のせとうち物産館

瀬戸内町森林組合(久保成雄代表理事組合長、正組合員270人)は30日、瀬戸内町古仁屋のせとうち物産館で臨時総会を開き、森林組合を解散する方針を決定した。残余財産を処分することも決定。今後は同組合の理事らが清算人となり、解散に向けた諸手続きを進めていく。

 

瀬戸内町森林組合は1955年に設立。森林所有者の協同組織として、町内の森林の伐採や植樹などの間伐事業を行ってきた。

 

30日に提示された解散理由書によると、解散の直接的な原因は2022年度末に1323万1168円の当期純損失を計上したこと。間伐事業の担当職員が退職し、人材を補充できなかったため、間伐事業が大幅に実施することができず、赤字決算につながった。

 

臨時総会では第1号議案「瀬戸内町森林組合の解散及び財産処分に関する件」と第2号議案「清算人選任について」の2議案が提出され、議論された。

 

1号議案審議では、組合員から損益計算書の内容に質問があり、「会計の数字は別として、解散の方向性を決める意見のみを諮ってほしい」との提案がなされた。事務局が諮った結果、賛成多数で解散する方針が決定された。損益計算書等の数字について、事務局は「今後清算総会で詳しく数字を確認していく」と総括した。

 

清算人の選任候補には、久保成雄氏(古仁屋)、永井利一氏(久慈)、渡俊久氏(古仁屋)、長野次雄氏(阿木名)、田畑栄隆氏(瀬相)の5人が挙げられ、賛成多数で可決された。

 

組合員から「清算過程でずさんなやりとりや、財産の私物化などの問題が全国各地で起きている。登記される最後まで責任ある任務を担うことを自覚してほしい」と指摘があった。

 

臨時総会を終え、久保代表理事組合長は「年内にも理事会を開き今後のことを検討していく。財産などを清算した後に正式に解散となる。瀬戸内町の森林管理についてもどのような方法が一番良いのか考えていかねばならない」と話した。