法延長へ意見交換 奄振審議会 沖縄との連携など提案 次回、意見具申案協議へ

2023年04月19日

政治・行政

オンライン出席を含め全11委員が出席して開かれた奄美群島振興開発審議会のインターネット傍聴画面=18日

奄美群島振興開発審議会(会長・石塚孔信鹿児島大学教授、委員11人)の第117回会合が18日、東京都千代田区の中央合同庁舎であった。世界自然遺産登録を軸とした観光振興や移住・定住促進、沖縄県との連携強化など、2023年度末で期限を迎える奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)の延長を前提とした奄美の振興に向け、多方面から活発な意見が出た。次回審議会は6月中に開き、意見具申案について協議する。

 

審議会は奄美群島の振興開発に関する重要事項を調査、審議する目的で、国交省に置かれた機関。奄美の振興に関して意見を申し出ることができる。

 

この日はオンライン出席2人を含め、全委員が出席した。▽鹿児島県が22年度に実施した奄美群島振興開発総合調査▽奄美12市町村が作成した奄美群島成長戦略ビジョン2033▽奄美群島の振興開発に関する現状と意見具申に向けた論点案―などの報告を踏まえ意見交換した。

 

委員からは「観光客増を見据えた分散観光の推進が必要」「移住した人に対する支援など、移住後の政策をどう進めるかが重要」「沖縄との交流が今後の群島発展のキーポイント。航路航空路運賃軽減事業の対象を沖縄路線まで加えるなど、補助事業の拡充や国費の補助率かさ上げを要望したい」などの意見があった。群島内の中小・零細企業の支援・育成のため、奄美群島振興開発基金の存続、機能強化を求める意見もあった。

 

最後に鹿児島県の塩田康一知事は「奄美群島ではこれまで各種施策を展開してきたが、地理的な条件不利性もあって、物流や医療、教育、物価などさまざま面で課題が残っている」と現状を説明。「奄振法に基づいた制度や奄振交付金など国の予算充実が必要不可欠」などとも述べ、奄振法延長による国の継続支援を訴えた。