移住や沖縄との連携促進 群島の振興開発で基本方針策定 改正奄振法に基づき、方向性示す 国交省

2024年05月25日

政治・行政

 国土交通省は24日、3月末に成立した改正奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)に基づき、奄美群島の振興開発の意義や方向性を示す基本方針を、関係省庁と協力して策定したと発表した。法改正を踏まえ、振興開発の方向性として、空き家活用などによる移住・定住の促進や、沖縄との連携による持続的な観光振興などを盛り込んだ。

 

新たな基本方針では振興開発の柱に「移住・定住の促進」を位置づけた。空き家などの活用による移住者向けの住宅確保に取り組むことや、各分野で沖縄との連携をさらに促進していくことなどを記載している。

 

また、これまでの基本方針と比べ、▽デジタル技術の活用▽防災機能の強化▽教育と文化の振興│などの記載を充実させたことが主なポイント。引き続き、生活環境の整備や産業の振興、交通の確保、自然環境の保全・再生にも取り組むこととしている。

 

振興開発を図るための基本的事項は①産業の振興開発②観光の開発③防災及び国土保全にかかる施設の整備④教育及び文化の振興|など16項目。うち「教育及び文化の振興」では、文化・伝統を生かした体験学習や郷土学習、探求的な学習、ICTを活用した遠隔教育の推進などを盛り込んだ。

 

その他の事項として▽鹿児島県は沖縄との連携促進や移住の促進、産業振興などの各種事業に効果的に交付金を活用する▽奄美群島振興開発基金は28年度までに単年度収支の黒字化を図る▽国、県、奄美12市町村の連携体制構築―などを定めた。

 

新たな基本方針の策定を受けて県は今後、振興開発の施策を具体化するための奄美群島振興開発計画を定める。県離島振興課は「所定の手続きを踏み、できるだけ速やかに振興開発計画を定めたい」とした。