ジェンダー平等の地域社会へ 推進計画策定、広域連携は県内初 奄美大島4町村

2024年05月25日

政治・行政

2023年8月、計画策定に向け住民らが情報共有や意見交換を行った宇検村の懇話会(資料写真)

大和村、宇検村、瀬戸内町、龍郷町の奄美大島4町村はこのほど、協働して「男女共同参画推進総合計画」(2024~33年度)を策定した。県男女共同参画局によると、複数の自治体が広域的に連携し男女共同参画に関わる計画を策定した事例は県内初。あらゆる施策にジェンダー平等の視点を取り入れ、男女問わず暮らしやすい地域社会づくりを目指す。

 

計画は「男女共同参画社会基本法」とその個別法(女性活躍推進法など)に基づく。4町村で前期計画の終了と新計画の策定時期が重なったため連携。奄美市は22年度に前期計画満期と再策定を終えている。

 

昨年7月の担当者会議を経て、8月から策定作業を本格化。現状把握のため、住民懇話会や町村民らを対象とした意識調査を実施した。調査結果や過去10年の社会情勢の変化などを踏まえ、今年3月末に計画を策定した。

 

重点目標は①ジェンダー平等意識の浸透②さまざまな分野における男女共同参画の促進と方針等決定過程への女性の参画拡大③働きやすく、働きがいのある働きたい職場づくり④生涯を通じた健康づくり⑤ジェンダーに起因する暴力の根絶⑥男女共同参画の視点を踏まえた生活上の困難な問題の解消⑦協働・協創による持続可能な地域経営の推進─の7項目。

 

実効性を高めるため、項目ごとの施策方針に加えて実際に取り組む事業やその内容も盛り込んだ。今年度は瀬戸内町、龍郷町、宇検村で、人権やジェンダー平等の理解促進・浸透を図る教育活動「子どもたちと地域のジェンダー平等学び合い事業」を実施する。

 

同事業は28日の宇検村立阿室小中学校を皮切りに、3町村の計9校で開催予定。児童生徒や教職員、保護者、地域住民を対象に、一人一人が尊重される地域づくりについて学ぶワークショップを行う。

 

男女共同参画推進総合計画は4町村のホームページで公開している。首長4人は「人権の確立とジェンダー平等は、持続可能な奄美大島の地域社会の形成にとって不可欠。計画に基づき、性別に関わらず一人一人が尊重され、夢や希望をもって個性と能力を発揮するとともに、支え合って安全・安心に暮らすことができる地域づくりに積極的に取り組む」と共同でコメントした。