経済や医療福祉 争点に 過去最多 7氏立候補 多彩、女性複数も初

2020年06月26日

政治・行政

17日間の選挙戦がスタートした県知事選の出陣式=25日、鹿児島市

17日間の選挙戦がスタートした県知事選の出陣式=25日、鹿児島市

 【鹿児島総局】任期満了に伴う鹿児島県知事選挙は25日告示され、現職、新人、元職の計7人が立候補した。1947(昭和22)年の5人を上回り、過去最多。複数の女性立候補も初。ほとんどの候補者が新型コロナウイルス感染防止対策や打撃を受けた県内経済の立て直しを政策の柱に掲げている。川内原発(薩摩川内市)の稼働延長や総合体育館の整備方針に対する考え方などが注目され、現県政への評価も争点になりそうだ。各候補は医療・福祉政策や産業振興策などでも独自性を打ち出し、支持拡大を図る。

 

 立候補したのは、元高校教諭の新人武田信弘氏(66)、医師の新人横山富美子氏(73)、元KTS鹿児島テレビアナウンサーの新人青木隆子氏(57)、現職の三反園訓氏(62)、前知事の元職伊藤祐一郎氏(72)、前九州経済産業局長の新人塩田康一氏(54)、元鹿児島大学特任助教の新人有川博幸氏(61)=届け出順。いずれも無所属で、自民、公明の両党が三反園氏、共産党が横山氏を推薦している。

 

 武田氏は6月に入って立候補を表明。鹿児島を火山県と表現し、地熱を再生可能エネルギーと位置付けて原発依存からの脱却や温泉などの観光資源を生かした地域振興策を掲げる。

 

 横山氏も6月に入って立候補を表明。脱原発や馬毛島・奄美の軍事施設増強反対を政策の柱に、医師の立場からソフト、ハード両面で新型コロナ対策拡充と離島医療の充実も訴える。

 

 青木氏も6月に入って立候補を表明。県民もメンバーとする「知事チーム」の創設を掲げ、新型コロナで打撃を受けた生活環境の復旧や離島・へき地の周産期医療拡充も訴える。

 

 再選を目指す三反園氏は昨年12月に立候補を表明。高齢者や子育て支援、観光・農業振興など1期4年間の実績を強調し、2期目の目玉政策に新型コロナからの復興を位置付ける。

 

 伊藤氏は今年1月に立候補を表明。3期12年の知事職で県財政を立て直した実績を掲げ、新型コロナ対策では大胆な財政出動による経済立て直しへ万全の措置を強調する。

 

 塩田氏は昨年12月に立候補を表明。経済産業省の官僚として地方創生に携わってきた経験を前面に出し、新型コロナで疲弊した県内経済の再生、産業振興へ取り組む姿勢を見せる。

 

 有川氏も昨年12月に立候補を表明。「農畜水産物のブランド化」を掲げ、政策の目玉としては地域や職業を考慮した多彩なメンバーで構成する「知事戦略室」の創設を掲げる。

 

 参院と同日選だった前回(2016年)の投票率は56・77%。前々回(12年)は43・85%。

 24日現在の選挙人名簿登録者数は135万7073人(男63万1588人、女72万5485人)。投票は瀬戸内町の請島、与路島など一部地域を除いて7月12日に行われ、即日開票される。