若者目線で地域活性化提言 鹿国大フィールドワークで 大和村

2024年02月17日

政治・行政

行政関係者と意見交換する鹿児島国際大学の学生ら=16日、大和村

「高齢者の買い物支援にネット通販を活用しては」「地域の魅力を短い動画で発信して」│。大和村と連携協定を結んでいる鹿児島国際大学(鹿児島市)の学生らが16日、同村で地域活性化のアイデアを発表した。参加したのは社会福祉学科の学生10人。集落でのフィールドワークを踏まえて若者の目線で課題や資源を探り、地域包括ケアを支える福祉専門職として必要な技術を学んだ。

 

大和村と鹿国大は地域社会の発展と学生の教育・研究活動の向上などを目的に、2014年に連携協定を締結。社会福祉学科の学生が毎年同村で実地研修を行っている。新型コロナウイルスの影響で、フィールドワークの実施は4年ぶりとなった。

 

今年は同大社会福祉学科の岩崎房子教授のゼミに所属する3、4年生10人が13日から16日の日程で来島。14日は4班に分かれて国直、津名久、思勝、大金久の各集落を訪問し、集落散策や住民からの聞き取りを行った。

 

16日の成果発表会は村防災センターであり、仲新城長政副村長ほか各課長と大和の園の勝健一郎園長の前で、各班ごとにフィールドワークの成果を発表。「商店が少なく、買い物に困る高齢者が多い」「地域活動が活発で互助の仕組みがある一方、次世代の担い手が足りていない」などの課題を挙げた。

 

課題解決に向けては、▽ネット通販に不慣れな人をサポートする仕組みづくり▽若者を対象にした地域の魅力発信▽村の子育て支援事業や豊かな自然のPRで移住促進▽観光客や地域外の若者にも行事に参加してもらい、住民の取り組みを知ってもらう│などの意見を寄せた。

 

同大4年の児島史弥さん(22)は「SNS(インターネット交流サイト)で拡散されやすい短い動画は若者に効果的。漁港でウミガメに出合えるなど、地元では当たり前の景色が大きな資源になる」と話した。仲新城副村長は「学生は行政にない若い発想を持っている。意見を参考にしながら地域に求められる取り組みを考えたい」と述べた。