研修生と異文化交流 JICA事業で8人来校 伊仙町面縄中

2024年02月17日

子ども・教育

日本流のじゃんけんを教わって生徒と対戦する(右から)ムスさん、ナディームさん=14日、伊仙町見出=

【徳之島総局】国際協力機構(JICA)の事業で徳之島を訪れている外国人研修生8人を招いた異文化交流教室が14日、伊仙町の面縄中学校(福永隆幸校長、生徒71人)であった。研修生は通訳を介して英語で自国の文化などを紹介。生徒らも徳之島の特徴などを説明し、交流を楽しんだ。

 

研修生はパレスチナ、パキスタン、ジョージア、ガーナ、タンザニア、ウガンダ、シエラレオネ、南スーダンで従事する地方行政官やNPO職員など。住民主体の地域づくり活動を学ぶため、12日に来島した。

 

ハラフ・ナディームさん(29)=パレスチナ=、マンサレイ・ムス・セディアさん(30)=シエラレオネ=は2年生の教室を訪問。ナディームさんは「パレスチナは緑が豊かで徳之島に似ている。ぜひ旅行に来て」とあいさつ。ムスさんはシエラレオネの子どもたちも日本と同じく小学校6年、中学校3年、高校3年の教育を受けると紹介し「国旗の色は緑、白、青の3色。島にあるコンビニエンスストアのデザインと一緒」と笑顔で話した。

 

生徒らは伊仙町が長寿と子宝の町で、島で盛んな闘牛は400年以上の歴史があることなどを紹介。英語で自己紹介し、家畜人工授精師や牛削蹄師、スポーツトレーナーなど、将来就きたい職業を発表。給食を一緒に食べて親睦を深めた。

 

満野政幸さん(2年)は「パレスチナ、シエラレオネについては初めて聞くことばかりで、文化や伝統の違いなど勉強になった。もっと多くの海外の人に闘牛の面白さを知ってほしい」と話した。

 

ムスさんは「生徒たちが自分自身で考えて将来の職業を決めていることに感銘を受けた」と感想。「日本人は真面目で正直な人が多いことが、国の発展の理由と感じた。私は公務員なので日本の地域づくりを学んで自国のために役立てたい」と語った。

 

宗教上の理由で給食のおかずは食べられなかったナディームさんだが、「日本のご飯はおいしい。特にツナのおにぎりが大好物」と笑顔。「私の国と日本では異なることがたくさんあり、学ぶことも多い。日本にいる間にいろんな経験を積みたい」と話した。

 

研修生一行は後日合流する1人を含め、計9人が24日まで徳之島に滞在する。