観光資源開発に期待 人材派遣でぐるなびと協定 徳之島町

2022年10月05日

政治・行政

 インターネット上で飲食店などの情報提供サイトを運営するぐるなび(本社東京都)と徳之島町は1日付で、総務省の「地域活性化起業人制度」による人材派遣協定を締結した。徳之島町役場の新庁舎で4日、調印式があり、ぐるなび側からは協定により町地域営業課に派遣された加東貞夫さん(42)や、杉原章郎社長ら4人が出席。高岡秀規町長は「食を通じた観光資源開発で町の競争力を高めてほしい」と加東さんの活躍に期待した。

 

「地域活性化起業人」は総務省が地域活性化や人的交流のために推進する制度。関東、関西、中京の三大都市圏にある企業の社員を地方自治体に派遣し、マーケティングや販路開拓などのノウハウを生かして地域の活性化や中小企業支援、デジタル化などを推進するのが狙い。

 

加東さんは大阪府出身。IT関連の業務全般に携わった経験があり、訪日外国人向け観光情報サイト「LIVE JAPAN」では、北海道や東北、関東、関西の観光情報を世界に発信してきた。

 

地域活性化起業人の任期は最長3年。同社からはこれまでに10地域に11人の人材を送り出している。加東さんは徳之島町での生活に向けて「私が今思っているように、『徳之島に移住したい』と多くの人に思ってもらえるように島の魅力を発信していきたい」と意気込みを述べた。

 

徳之島町での勤務には約10人から希望が寄せられ、最も熱意があった加東さんが選ばれたという。杉原社長は加東さんの人柄について「人懐っこくコミュニケーション能力が高い。食を軸に人と人をつなげていける人物」と太鼓判を押し、「島内産の食材を生かした新メニューの開発やインターネットでの情報発信など社で培った能力で徳之島町に貢献してほしい」と期待した。