赤土流出からサンゴ守ろう 防止対策40人が学ぶ 奄美市名瀬

2022年09月30日

政治・行政

サンゴ保全と赤土流出防止の重要性について学んだ学習会=29日、奄美市名瀬

奄美地域赤土等流出防止対策推進協議会(会長・新川康枝県大島支庁長)主催の学習会が29日、奄美市名瀬の県大島支庁であった。奄美各市町村と県の担当者などオンラインも含め約40人が参加。奄美海洋生物研究会会長の興克樹さんが講演し、奄美近海の豊かなサンゴの保全と、観光、環境教育などへの活用を呼び掛けた。

 

興さんは公共工事や農地開発などよる赤土流出で、1970年代前後に続いたサンゴ礁への被害が、近年は対策が進んで少なくなっていると説明。2010年10月の奄美豪雨の際に、奄美市の住用湾などで大量の泥をかぶって死滅したサンゴの様子を紹介し、赤土の流出が海の生態系に及ぼす影響を指摘した。

 

近年は「全体的にサンゴの回復傾向がみられる」として、赤土の流出防止によって「サンゴの幼生が定着しやすい環境を整えることが一番重要」と強調。サンゴやさまざまな海の生き物を観察するシュノーケリングツアーの人気が高まる中、「環境教育やエコツアーへの活用が期待される」と述べた。

 

学習会は関係機関が赤土流出防止対策の重要性を学び、活動推進につなげる目的で、奄美大島、徳之島、沖永良部島の3島で持ち回りで行われている。新型コロナウイルスの影響で開催は3年ぶり。