身近な〝お宝〟増やして 講演や活動報告に170人来場 龍郷町「むんばなしのゆらい」

2024年03月01日

政治・行政

木村利浩さん(円内)の講演や集落の見守り活動などの報告があったシンポジウム=28日、龍郷町

高齢者が生き生きと暮らせるまちづくりを考えるシンポジウム「わきゃしまどぅくさネット・むんばなしのゆらい」(龍郷町地域包括支援センター主催)が28日、龍郷町りゅうゆう館であった。5年ぶりの開催で約170人が来場。講演やパネルディスカッションを通して、介護予防や地域で高齢者を支える地域包括支援の在り方について理解を深めた。

講師はNPO法人全国コミュニティライフサポートセンター地域支え合い推進プロジェクト主幹の木村利浩さん。「『いま幸せ』と語る高齢者に学ぶつながりと支え合いのある暮らし」と題して講演した。

 

木村さんは趣味の畑やグラウンドゴルフを楽しみながら元気に過ごす高齢者の例を紹介しながら、高齢者の暮らしと健康を守るために▽仕事や家事、農作業など、特技・経験を生かす場所▽気軽に集って言葉を交わし、お茶飲みやお裾分けをする生活文化▽すぐに気付いて声を掛け、手を差し伸べる良好な関係▽多彩な住民活動の場―が必要な要素だと示した。

 

「こうした生活文化や住民活動、支え合うつながりは地域の〝お宝〟になる」と呼び掛け、お宝を発掘しながら増やしていくことが大切とした。

 

パネルディスカッションでは同町幾里集落の廣島敬久さん(幾里はまゆう)と手広集落の牧真美子さん(てとて)が集落の見守り活動や生活支援などの活動内容を報告した。

 

社会福祉法人竜泉会の重枝一馬さんらは認知症高齢者が対象のグループホームや、小規模多機能施設の仕組みや生活状況などを説明。奄美病院の認知症疾患医療センターは、センターの概要や、認知症について気になる人が集う「認知症やすらぎカフェ」の取り組みを紹介した。

 

シンポジウムに参加した中勝老人会会長の且恵美子さん(79)は「畑仕事やお茶会など、私たちが日ごろ心掛けていることがいいことだと再確認できた。集落の活動紹介も、人が少ない中でも一生懸命工夫されている様子を知って励みになった」話した。