「三五会」43年の歴史に幕 大島高、奄美高の同窓会 東京で最後の会合

2025年03月21日

郷友会

全国各地から同窓生33人が駆け付けた最後の「関東三五会」=19日、東京都港区

県立大島高校と県立奄美高校(旧大島実業高校)の1960年(昭和35年)卒業生たちの同窓会「関東三五(さんご)会」(圓野憲武会長)は19日、東京都港区の新橋亭で第30回同窓会を開いた。1982年から42年間にわたって関東で暮らす旧友たちの集いの場となってきた同窓会だったが、会員が83歳、84歳と高齢となったことなどから今回で解散した。

 

会の名称は昭和35年と奄美の珊瑚(サンゴ)を掛け合わせたもの。過去には母校訪問などの活動を行った。最後となった同窓会には、関東各地の会員のほか、兵庫県や京都府、滋賀県、故郷の奄美市や龍郷町などからも合わせ、計33人が駆け付けた。

 

会では出席者全員で、これまでに亡くなった同窓生や同窓生のパートナーたちに黙とう。圓野会長は「島では巳(み)年でお祝いの歳でもあり、区切りとして最終回とすることになった。政治や商売、宗教を抜きにして親睦を深め、島への思いがある人々が旧交を温め合うことができた。故郷を遠く離れて生活の基盤をつくり上げ、健康で過ごしてきた皆さんはラッキーだった。最終回、ここまで良く来たなと言う思い」とあいさつし、旧友に贈る詩吟を歌い上げた。

 

幹事の島岡稔さんは「僕らが高校を卒業した昭和35年は、奄美の日本復帰からまだ7年。道路やトンネルなどのインフラなどの復興事業が始まったころで、島はまだ何もない時代だった。明石市で阪神淡路大震災に遭った同窓生もいたが、物はなくても生きる知恵はあったので乗り越えられた世代だったと思う」などと青春時代と同窓会の思い出を振り返っていた。