自然と文化のつながり体感 イオン環境財団が奄美大島でエコツアー マングローブや湯湾岳巡る

2025年03月21日

地域

奄美大島を探索し自然と文化の関わりなどを学んだイオン環境財団エコツアーの参加者ら=20日、宇検村湯湾

アジア地域を中心に世界各地で環境保全活動に取り組む公益財団法人イオン環境財団のエコツアーが20日、宇検村で開催された。関東などから来島した家族連れや学生ら18人が参加し、さまざまな体験活動を通して人と自然が関わり合って形成された奄美の文化を学んだ。一行は19~21日の日程で奄美大島を巡る。

 

イオン財団は自然環境や歴史文化を学んでもらう目的で2024年10月から全国各地でエコツアーを展開している。23年7月には奄美大島自然保護協議会へ1000万円の寄付を行ったこともあり、今回は世界自然遺産に登録されている奄美の自然環境や環境文化などを体感してもらおうとツアーを企画。19日は奄美市住用町の世界遺産センターやマングローブ林などを見学した。

 

20日は一般社団法人「巡めぐる恵めぐる」の新元一文代表理事の案内で宇検村内を探索。湯湾岳展望台では、奄美群島最高峰の湯湾岳(標高694メートル)から焼内湾までを一望する絶景に歓声が上がった。新元さんは湯湾岳が開闢(かいびゃく)祖神が降り立ったといわれる霊山であることや、自然との関わりの中で生活や食の文化が作られていったことなどを解説し、参加者は学びを深めていた。

 

東京都から参加した早稲田大学創造理工学部3年の古家凌雅さん(22)は「知らない土地の暮らしを見るのが好きで、先月は徳之島も訪れた。サンゴ礁の発達による漁の違いと食文化の関係の話がとても面白かった」と話していた。

 

湯湾岳見学の後は平田集落に移動し、海水をくみ上げて塩作りに挑戦した。最終日は奄美市名瀬の大浜海浜公園でビーチクリーンを行うほか、奄美博物館や同市笠利町の歴史民俗資料館、龍郷町の大島紬生産工場などを訪問する予定。