「昔の暮らし伝えたい」 西田さん(知名町)が自作絵本贈呈 沖永良部島
2025年01月19日
地域

絵本「ふがに水」を和泊町の村山英哲教育長(右)に贈呈する西田瑞恵さん=17日、同町
知名町田皆在住の西田瑞恵さん(76)は17日、戦後の暮らしを描いた自費出版の絵本「ふがに水(みじ)―金銀の水」(南方新社)を和泊町教育委員会に贈呈した。町内全小学校と図書館に配布予定。
西田さんは元小学校教諭。娘から「孫のために絵を描いて」と依頼されたのを機に、初めて絵本作りに取り組み、昨秋出版にこぎ着けた。「ふがに水」はシマムニ(沖永良部島方言)で正月の最初にくむ水のこと。田皆では水道のなかった当時、暗川(くらごう)から毎日水をくむのが子どもや女性の役割だったという。
西田さんは「正月は『今年はいいことがある』などと願いを込めて水をくんだ。大変な時代だったが、正月だけはいい思い出として残っている。(絵本を通して)今の子どもたちにこんな時代があったことを悟ってもらえたら」と思いを語った。
絵本を受け取った村山英哲教育長は「西田さんの思いが子どもたちに届くよう、各校長に伝えたい」と感謝した。
絵本はA4判20ページ。既に知名町の各小学校、図書館にも贈っている。