地域おこし、本音で語る 奄美5島7人、GCD登壇

2022年03月15日

地域

奄美群島の各地で島おこしに取り組む7人が本音を語り、動画投稿サイトで配信されたトークショー「GCD」=13日、奄美市名瀬(配信動画の一場面)

奄美群島で島おこしに取り組む人々によるトークショー「島サバクリエイティヴGCD(ガシド)」(奄美群島広域事務組合主催)が13日、奄美市名瀬のライブハウス「ASIVI(アシビ)」であり、動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信された。各島で奮闘する男女7人が登壇。それぞれの地域にある魅力や課題を取り上げ、自身の活動や将来へ向けた期待、不安などを本音で語った。

 

GCDは奄美群島人材育成事業の一環で、今年度で8回目を迎えた。今回は与論島の3人と奄美大島、喜界島、徳之島、沖永良部島から各1人が登壇し、プレゼンテーション形式で自身の思いや取り組みを発表。新型コロナウイルス感染予防のため無観客で動画配信した。

 

与論島の栁田真希さんは、本土のIT商社勤務を経て帰郷し、観光振興や起業支援、教育環境整備など幅広く事業展開。島の将来を見据え「一過性ではなく、持続可能な観光地域づくりが必要」と訴えた。

 

同島で暮らす沖隆寿さんは、島生活で感じる死生観や自然観を語るとともに、自身が代表を務め、地場産牛肉をPRする事業「ヨロンアイランドビーフ」を紹介。与論高校に通う川畑光麗さんは既存のお土産品を分析し、新たな商品開発などについて話した。

 

徳之島の福本慶太さんは、島民と観光客をつなぐ旅行支援事業の苦節に触れつつ「50年先も幸せに住み続けられる島を実現したい」と熱弁。沖永良部島の水嶋健さんは自身の海外経験を基に、海外の人も暮らしやすい環境整備へ向けた取り組みを紹介した。

 

奄美市の大島北高校を3月に卒業した實川進之助さんは六調を踊りながら登場し、若い世代が集落の伝統文化に親しみやすい環境づくりを訴えた。喜界島のシンガー・ソングライター、東郷晶子さんはピアノ弾き語りで故郷への思いなどを表現した。

 

7人の取り組みや主張を聞いたサイバー大学(通信制)の勝眞一郎教授は「持続可能なコミュニティーのつくり方や次世代育成へのメッセージ」と発表を評価。「多くの人の挑戦や仲間づくりにつながるといい」と語った。