官民連携で政策住宅完成 観光施設従業員が入居へ 大和村

2023年07月04日

地域

大和村大和浜に完成した村政策住宅「シェトワひらとみ」を視察する官民関係者=3日、同村

大和村と奄美市名瀬の不二(奥山大志代表取締役社長)が昨年締結した政策住宅整備誘致協定に基づく賃貸集合住宅がこのほど、同村大和浜に完成した。入居するのは、村と立地協定を結ぶグレイ美術(本社東京都、浜崎哲義社長)が大棚地区で来春オープンを目指す観光施設「奄美温泉大和ハナハナビーチリゾート」の従業員。住宅の完成に伴い、村と不二は3日、住宅の利用に関する協定を改めて締結。グレイ美術を含む3者で住宅を視察した。

 

村は大型観光施設誘致による定住促進や地域振興を目的に2020年10月、グレイ美術と立地協定を締結。この協定内容に含まれる(従業員の)住居確保に向け、22年8月に不二と政策住宅整備誘致に関する協定を結んだ。

 

政策住宅は同村大和浜の埋立地で昨年10月に着工し、今年6月末に完成。鉄筋コンクリート造3階建て全12戸で、各部屋間取りは2LDK(約50平方メートル)。名称は「シェトワひらとみ」とした。

 

住宅は不二が所有し、別の不動産業者が管理。村はハナハナビーチリゾートの従業員宿舎として使い、家賃のうち1戸当たり月額2万7千円を補助する。契約期間は53年3月末まで約30年。その後、住宅は村に無償で譲渡される。

 

3日は村防災センターで調印式があり、伊集院幼村長と不二の尾﨑英哉代表取締役副社長が協定書に署名した。伊集院村長は「初の試みだが、民間と連携した住居の整備、確保、管理は心強い」と感謝。尾﨑副社長は「地域活性化の一助となれば」と期待した。

 

調印式終了後、出席者たちは完成した住宅を現地で視察。立地や外観、内装を確かめた。グレイ美術新規事業準備室の浜崎史也部長は「海や川が近い最高のロケーション。(従業員は)魅力あふれる地域で公私とも充実した生活が送れそう」と住宅完成を喜んだ。