新社殿完成、伝統継承へ 英雄祭る按司根津栄神社 与論町

2023年08月17日

地域

按司根津栄神社の新社殿完成を祝い執り行われた奉告祭=10日、与論町

与論町の按司根津栄(アジニッチェー)神社の新社殿がこのほど完成し、落成式と奉告祭(神事)が10日、同神社で執り行われた。氏子など島内外から約120人が参列。新社殿の完成を祝うとともに、神社の伝統を守り伝えていく決意を新たにした。

 

同神社は約800年前に琉球の敵兵から与論島を守るために戦ったとされる英雄「按司根津栄」を祭っている。弓術などの武芸に優れた島の守り神で、現在も按司根津栄の伝説にまつわる遺跡が島内各地に残っている。

 

神社は1908年創建。旧社殿は半世紀以上前に建てられたもので老朽化が進み、台風被害もあり建て替えが決まった。

 

新社殿は2016年2月に着工し、今年4月に完成。社殿建築費は5459万円。仮社殿や境内整備費を含む総事業費は6113万円。建て替え事業には、今年7月末時点で島内外の369人から総額3783万円の寄付金が寄せられた。

 

奉告祭と落成式の後、町地域福祉センターで祝賀会も開催し、余興や参加者同士の交流を楽しんだ。

 

氏子総代の森繁信さん(72)は「氏子を含めた町民ら有志の方々から寄付をいただき、この先100年続く社殿が完成した。これからしっかり私たちの手で守っていきたい」と語った。