島の価値観に理解深める ICU学生が人類学調査 伊仙町

2023年08月17日

地域

さまざまなテーマで調査の成果を報告する国際基督教大学の学生ら=16日、伊仙町ほーらい館(提供写真)

伊仙町で人類学のフィールドワークを行っていた国際基督教大学(ICU)の学生らが16日、同町ほーらい館で調査報告会を開いた。島の文化や暮らしを体験・観察して得た知見をテーマ別に報告。調査に協力した町民や行政関係者など約30人も来場し、学生たちの発表に耳を傾けた。

 

フィールドワークには、「人類学調査実習」を履修する2~4年生13人が参加。同科目の履修生による同町でのフィールドワークは初めてで、当初は2~16日の期間に実施する予定だったが、台風6号の影響により日程を変更。10日ごろから順次現地入りし、約1週間、調査を行った。

 

学生たちは、研究対象となる地域に赴き暮らしや文化を自ら体験する「参与観察」の手法で調査。地元住民らと食事を共にしたり、送り盆の風習や闘牛を見学したりして地域に密着した。インタビューも行い、島の人々の価値観や視点にも理解を深めた。

 

調査報告会では、学生たちが▽島の子育て▽食と人のつながり▽人と牛(闘牛)の関係─など、それぞれが関心を持つテーマに着目して発表。調査で得た情報を基に同町の地域社会の在り方を考察した。

 

最後は質疑応答もあり、来場者たちが学生らに島の印象や調査内容について質問。「日常で何となく過ごしていることを浮き彫りにして分からせてくれた」などと感想も伝えた。

 

島外出身者がどのように受け入れられているかを調査した教養学部4年の米田昌生さん(21)=鹿児島市出身=は「島には世代や性別の垣根を超えた交流があり、『来るものを拒まない』姿勢につながっているのでは」と話し、「島の人たちの優しさに触れた1週間だった。地域に根を張った土着の郷土愛を感じられた」と振り返った。

 

今後はそれぞれ調査内容を基に論文を作成する予定。引率した森木美恵教授は「学生たちは伊仙町の人たちの後押しを原動力に、とても精力的に活動できていた」と評価した。