4町村協働、広域連携へ 男女共同参画計画更新で 奄美大島

2023年08月17日

地域

男女共同参画推進に関わる行政計画策定へ情報共有や意見交換を行った宇検村の懇話会=16日、同村役場

大和村、宇検村、瀬戸内町、龍郷町の奄美大島4町村は2023年度、男女共同参画推進に関わる行政計画策定を協働で進める。今年度で期限切れとなる各町村の現行計画更新に伴い、次期計画でより広域的な連携の強化を図る初の試み。有識者を招いた懇話会や職員研修を16日から18日まで、町村別に行い、認識共有と意識向上に取り組んでいる。自治体の垣根を越え、男女問わず暮らしやすい地域社会づくりを目指す。

計画は、男女共同参画社会基本法とその個別法「DV(家庭内暴力)防止法」「女性活躍推進法」「困難女性等支援法」に基づく。4町村協働での策定により、関連する事業での円滑な連携が期待できる。奄美市は22年度に前期計画満期と再策定を終えている。

16日は宇検村と瀬戸内町で地域住民を交えた懇話会があり、主に自治体担当課が計画策定の背景や趣旨、策定スケジュールを説明した。

宇検村役場での懇話会には村内の集落運営や産業、福祉、教育など各分野を担う住民9人が出席。県政で長く男女共同参画推進に携わった前県大島支庁長の印南百合子氏も加わり、「家事や育児、介護などで働きにくさに悩む女性は多い。男女共同参画は『女性の問題』ではなく、地域づくりの根幹を支える社会的課題」と強調した。

住民からは男女共同参画や関連用語の意味を問う声が相次ぎ、担当する村企画観光課の辰島月美課長は「よく聞く言葉だが、深く考える機会は少ないかもしれない。計画の目的や指針を明確にし、確実な実行につなげたい」とした。

今後は、男女共同参画の現状に関して4町村共通の意識調査を行い、その結果や懇話会を踏まえ民意を集約。担当者を通じて自治体間で情報共有し、計画全体の方向性を探る。4町村いずれも印南氏が助言役として策定作業を支援する。

懇話会は17日に龍郷町、18日に大和村で行われる。