眞久慈トンネル安全祈願 名瀬瀬戸内線伊目工区

2022年04月23日

地域

安全祈願祭が行われた眞久慈トンネルの建設現場=22日、瀬戸内町

県が瀬戸内町で進めている県道名瀬瀬戸内線伊目工区「眞久慈(まくじ)トンネル」(総延長326メートル)の建設工事安全祈願祭が22日、同町伊目地内のトンネル坑口であった。トンネル整備は古志地区と久慈地区を結ぶ現道の改良工事の柱。完成により両地区間の安全な往来や災害など緊急時の交通アクセス確保が期待される。式典には施工業者や行政関係者ら約40人が出席して工事の安全を祈願した。本体工事の工期は今年12月15日まで。

県道名瀬瀬戸内線は、奄美大島の西側を通って奄美市名瀬と瀬戸内町古仁屋を結ぶ主要地方道。古志、久慈間は道路幅員が狭く線形も悪かったことから、県が緊急時の交通ネットワークと防災体制の強化を目的に、2013年度から車道拡幅などの工事を進めている。

工区の総延長は約1000メートルで、古志側約300メートルは21年度までに改良済み。

眞久慈トンネルは幅員8・0メートル、うち車道が5・5メートル。丸福・畠山・伊東特定建設工事共同企業体により昨年12月から本体工事に着手、今月から掘削工事が始まった。請負額は13億6000万円。本体工事完了後、照明の取り付け工事などを経て、供用開始は24年度ごろを見込んでいる。

安全祈願祭では県大島支庁瀬戸内事務所や、瀬戸内町などの行政関係者、近隣集落の区長、工事関係者らが出席して玉串をささげた。

久慈集落の武田政文区長(78)は「久慈など(トンネルより西側の集落)の住民にとっては、古仁屋へ向かう生活道路としての利便性の確保も大切だが、急患や災害発生などの緊急時に交通ネットワークが確保されることが大変ありがたい」と、完成に期待。瀬戸内事務所の綾織孝文建設課長は「住民の生活道路としてはもちろん、防災面でも重要なトンネルになる」と効果を強調した。