「ここ園」どうなったの? 町が「療育」の現状説明 瀬戸内町

2024年05月07日

地域

瀬戸内町の療育の現状についての説明に耳を傾ける参加者=6日、瀬戸内町古仁屋のきゅら島交流館

瀬戸内町は6日、「私たちのまちの『療育』について考える」と題し、2024年3月の閉園が決まっていた町内唯一の児童発達支援事業所「ここ園」(同町古仁屋)の現状についての説明会と講演会を、同町古仁屋のきゅら島交流館で開いた。町内外から関係者約90人が参加し、現在も「ここ園」が新たな事業者により運営が続けられていることや、他県の事例についての講演に耳を傾けた。

 

「ここ園」は瀬戸内町唯一の児童発達支援と放課後等デイサービス事業所。町によると09年から町内の社会福祉法人が運営してきたが、同法人が町に対し、事情により24年3月で運営から撤退すると通知していた。町は後継事業所を公募し、現在は新たな事業者が4月から「ここ園」の名称を継承し運営している。

 

また、今年7月には町内に新たな児童発達支援・放課後等デイサービス事業所「潤生会みらいはうす(仮称)」が開設されることが報告された。説明会で2事業所の代表者が登壇し、施設の概要や開設に向けた進捗(しんちょく)状況などを報告した。

 

加えて、町は学校や医療機関、行政、保護者の代表者ら18人で構成する「瀬戸内町発達障がい者支援連携協議会」を23年11月に創設したことを報告。乳幼児期から成人期以降のライフステージや特性に添った支援ができる環境づくりを目指し、「関係者で情報を共有し、課題解決に向けた取り組みを行っていく」と説明した。

説明会では埼玉県で複数の福祉事業所を運営し、療育の街づくりに取り組む茂呂史生氏が地域連携の実例を講演した。

 

参加した瀬戸内町の女性保育士(55)は「奄美大島には療育施設や就労施設が少ない。本土や奄美市まで行かなくても町内でずっと暮らしていける環境が理想だ」と話した。