「地元の植物身近に」 200種植栽、おりじん・たき植物園 奄美空港から車で5分、入園無料 奄美市笠利町和野
2025年04月11日
地域

つぼみを付けたワダツミノキを指差す瀧源廣さん=3日、奄美市笠利町
アマミセイシカ、ツルラン、サガリバナ…奄美を代表する植物を山に入らずとも観察できる植物園が奄美市笠利町和野にある。2023年のみどりの日(5月4日)に開園した「おりじん・たき植物園」。奄美空港から車で約5分の場所に位置し、約1万平方メートルの敷地内に希少種を含めて約200種の植物が植栽されている。入園無料だが園の存在を知らない人も多く、オーナーの瀧源廣さん(75)は「地元の植物を体感する絶好のスポット。四季折々の風景を楽しむことができ、散策するだけでも心が癒やされると思う」と来園を呼び掛けている。
瀧さんは県のグリーンマスター(みどりの指導員)。自身が経営する瀧緑地建設(本社奄美市名瀬)は、県奄美パーク(同市笠利町)や奄美大島世界遺産センター(同市住用町)の植栽を手掛けた。
植物園は世界自然遺産になった奄美大島で「ハブとの遭遇の危険も高い山に入らなくても誰でも植物を楽しめる場所を」と自身が所有する土地を整備、開放した。園名の「おりじん」は英語で原点を意味する。
植栽されているのは、地元の植物研究者らから譲り受けた種や自身が育ててきた種など。自然と増えた種もある。園内には10以上のゾーンがあり、休日のみ開放する場所も。
記者が訪れた3日は園内一帯が生き生きとした緑の葉に覆われ、複数の種のツツジが花を咲かせていた。園の目玉の一つで、04年に新種として発表された奄美大島の固有種「ワダツミノキ」はつぼみを付けており、4月下旬から5月初旬のゴールデンウイークごろに開花しそうという。

おりじん・たき植物園の入り口付近=3日、奄美市笠利町
現在も園内の整備を進めている瀧さんは「手が動く限りは続けたい」と笑顔を見せた。植物園の場所は奄美空港から西(山側)に約1キロ。夜に咲く花もあり24時間開園。防犯カメラが設置されているほか、簡易トイレもある。
問い合わせは、電話0997(53)3690瀧緑地建設へ。