アカハラダカ、秋告げる 奄美大島・喜界島 飛来数調査2島で初協力

2023年10月03日

地域

奄美群島に秋の訪れを告げるアカハラダカのタカ柱=1日、奄美市名瀬

奄美群島に秋の訪れを告げる渡り鳥「アカハラダカ」の飛来数調査が奄美大島と喜界島で進んでいる。2島が協力して行う継続調査は今回が初めて。関係者は「飛来数や時期を記録することは奄美群島の自然史を理解し自然環境の価値を知る上でも重要。将来の観光資源にもなりえる」と期待している。

 

アカハラダカは朝鮮半島や中国の東北部で繁殖し、東南アジアで越冬する小型のタカ。成鳥は全長約30㌢で、和名は首付近から腹部にかけて赤色がかっていることに由来する。旅の途中で奄美に立ち寄り、羽を休めてさらに南の島へ飛び立つ。数十羽から数百羽にも達する大群が上昇気流に乗って形成する「タカ柱」は圧巻。

 

今年8月に有志で結成した奄美大島・喜界島鳥類研究会の会員が毎朝目視で数え、気象情報などとともに全国の愛好者で作る「タカの渡り全国ネットワーク」に提供している。今季は奄美大島で9月12日、喜界島で21日に初飛来を確認。28日に喜界島で410羽、29日に奄美大島で821羽を記録した。

 

長崎大学大学院博士後期課程で同研究会喜界島代表の天野孝保さん(27)は「喜界島も奄美大島に並ぶ重要な中継地の一つと分かってきた。調査が両島の自然環境や生態系の価値を再認識するきっかけになれば」と話した。今年はアカハラダカの飛来が例年より遅れており、10月上旬ごろまで観察できそうだという。

 

アカハラダカ

アカハラダカの飛来数はタカの渡り全国ネットワークのホームページ(http://www.gix.or.jp/~norik/hawknet/hawknet0.html)で見ることができる。