アラセツ前夜「ツカリ」 膳供え、家内安全祈る 龍郷町秋名

2023年09月25日

地域

縁側にごちそうを供えて手を合わせる作田ヘイ子さん=24日、龍郷町秋名

龍郷町秋名・幾里地区で25日、国指定の重要無形民俗文化財「秋名アラセツ行事(ショチョガマ、平瀬マンカイ)」が行われる。前日は「ツカリ」と呼ばれ、24日は地域住民が自宅の縁側にごちそうを供えてコウソガナシ(先祖の神)を祭った。

 

秋名アラセツ行事は五穀豊穣(ほうじょう)を願う稲作行事。今年は新型コロナウイルスの影響により中止・縮小が続いていたショチョガマが4年ぶりに通常開催される。

 

かつては前夜祭に当たるツカリの晩に、住民らが集落内の家々を回って八月踊りを夜通し踊ったという。ツカリの日にごちそうを供える家は、高齢化などにより年々減りつつある。

 

秋名の作田ヘイ子さん(91)宅には、赤飯や果物、魚のから揚げ、野菜の煮物などごちそうが並んだ。ミキや焼酎、お茶のほか、「(悪いものを)道に迷わせるため」に、渦巻き状に盛り付けたニラも供えられた。

 

ツカリの日には毎年膳を用意するという作田さん。家内安全を祈って手を合わせ「子や孫、ひ孫の幸せのためにも、先祖に『見守ってください』とお願いしている」と笑顔を見せた。