棒踊り、ナギナタ踊りを奉納 大和浜の伝統芸能に会場沸く 大和村で豊年祭敬老会

2023年09月25日

地域

赤青のタスキにわらじ、脚半といういでたちで六尺棒を打ち合う棒踊り=24日、大和村大和浜

旧暦8月15日に近い日曜日となった24日、大和村では六つの集落で豊年祭と敬老会が行われた。大和浜集落(中井良二区長、118世帯264人)では村内で同集落にだけ伝わる伝統芸能「棒踊り」と「ナギナタ踊り」が奉納され、会場から大きな拍手が沸き起こった。

 

村によると「棒踊り」は1902(明治35)年、大和浜の古老井原甚四郎翁(おう)によって創られたとされる男性の踊り。4人1組で「エイエイ」と言いながら六尺棒、三尺棒、鎌、なぎなたを前後左右に激しくぶつけ合う。

 

娘役が敵役と討ち合うナギナタ踊り=24日、大和村大和浜

「ナギナタ踊り」は昭和初期に始まったとされる女性たちの舞。桃色の着物に白いはち巻をつけた娘がなぎなたを振り、敵を討つ物語を表現している。敵を討つ場面では紙吹雪が舞い、踊りを一層盛り上げた。

 

4年ぶりの豊年祭と敬老会に中井区長は「時代は移り変わるが、ここにしかない伝統芸能を何とか続けていきたい」と話した。敬老者の大崎一恵さん(91)は「昔に返った気がする。60代の息子が棒踊りをするのは中学生以来。よく覚えていたとうれしく思った」と語った。

 

集落の公民館では婦人会が手料理で敬老者をもてなし、広場土俵には他集落から応援も参加。各年代が豊年相撲を奉納した他、仮装した住民の余興も会場を沸かせた。