自然遺産の島を満喫 探検クルーズ船、奄美初寄港 ナショナルジオグラフィック・レゾリューション

2023年09月25日

社会・経済 

島唄や六調などでクルーズ船の乗客や乗員を見送った送別セレモニーの様子=24日、奄美市名瀬

バハマ船籍の国際探検クルーズ船「ナショナルジオグラフィック・レゾリューション」(1万2786トン)が24日、奄美市名瀬の観光船バースに入港した。運航するリンドブラッド・エクスペディションズ(本社米国)は、世界的に有名な自然や科学に関する雑誌を発行する「ナショナルジオグラフィック協会」と探検ツアーで提携しており、奄美への寄港は初めて。米国を中心に99人の乗客が、世界自然遺産に登録された奄美大島の自然や伝統文化を満喫した。

 

同船は耐氷性を高めた船首の形状が特徴で、南極や北極も航海が可能。全長約124メートル。8月に米アラスカ州から日本に到着した。名瀬港への寄港は9月16日に神戸港を出発し、宮島(広島県)や屋久島(鹿児島県)、慶良間諸島(沖縄県)などを巡る15日間のクルーズの一環で、最終目的地は台湾。

 

名瀬港観光船バースを出港する国際探検クルーズ船「ナショナルジオグラフィック・リゾリューション」=24日、奄美市名瀬

観光船バースであった歓迎セレモニーでは、安田壮平奄美市長が「短い時間だが、奄美の豊かな自然と伝統文化を楽しんで」と英語であいさつ。紬美人の中西奈津美さんらが花束を贈った後、安田市長とハイジ・ノーリング船長が記念プレートを交換した。

 

乗客は野鳥観察や県奄美パーク・大島紬村、マングローブカヌーのツアーなどに分かれた。奄美市笠利町の田中一村記念美術館を訪れたスイス在住ジーン・ロストンさんは「展示方法が丁寧で、建物含めエクセレント(秀逸)だった」と感想。同市住用町でカヌーを体験した米シアトル在住ジェームズ・ハイドさんは「楽しかった。ルリカケスも見れた」と喜んだ。

 

送別セレモニーでは、島唄同好会「みちびき会」が島唄を披露。関係者や来場者も一緒になって「ワイド節」や「六調」などで見送り、クルーズ船の乗客も踊りをまねながら笑顔で応えていた。