バリアフリー体制の充実を 安全設計のヨット体験も 瀬戸内町で研修会

2023年11月22日

地域

小型ヨット「ハンザ」を使った乗船介助の実演などがあった研修会=20日、瀬戸内町阿鉄

県が主催する「奄美群島心のおもてなし推進事業」の研修会が20日、瀬戸内町で行われた。実技と講演があり、島内の宿泊・飲食や観光事業者など合わせて約20人が参加。障がいの有無に関わらず楽しめるアクティビティや介助を必要とする人への対応などを学んだ。

同事業は、誰もが安心して奄美群島を訪れることができるよう、バリアフリーの受け入れ体制を充実させることが目的。今年は10月と11月に群島内5島で研修会を計7回開いた。

 

この日は午前に実技があり、参加者らは同町阿鉄湾で2人乗りの小型ヨット「ハンザ」の乗船を体験。ハンザは▽傾いてもすぐ元に戻り転覆しにくい▽レバーとロープのみで操作が簡単▽座席が深く楽な姿勢で操作ができる─などの特徴があり、子どもや高齢者、障がい者でも安全に乗ることができる。

 

講師は伊勢志摩バリアフリーツアーセンター(三重県)の副理事長で、自身も車いす生活を送る野口幸一さん(52)。乗船の介助を実演し「いろいろな障がいを持つ人がいる。どうしてほしいかを確認しながらサポートし、できることは自分でさせてあげて」と伝えた。

 

参加した村田典子さん=同町古仁屋=は「乗船介助はなかなか難しそうだったが、障がいを持つ方でも楽しめるアクティビティがあることを知れて良かった」と話した。

 

午後は、町きゅら島交流館で同センター事務局長の野口あゆみさん(52)による講演があった。「アクティビティで大切なサポートとは」と題し、バリアフリー観光の事例などを紹介。障がいの有無に関わらず誰もが楽しみを共有できる環境や柔軟な対応の大切さを語った。