奄美のタクシー運賃改定「必要」 来年3月中旬ごろ新運賃公表 九州運輸局

2023年11月21日

社会・経済 

現行の初乗り料金「520円」を表示するタクシーのメーター=9月、奄美市名瀬

奄美群島内のタクシー事業者が申請していた運賃改定について九州運輸局は20日、審査の結果「必要」と判定したと発表した。15日時点で各事業者は、初乗り運賃(1・3キロまで)を現行から40円~220円引き上げ600円~740円の範囲で設定するよう申請。同局は来年3月中旬ごろに新運賃を公表予定で、適用はその約1カ月後となる見通し。奄美でのタクシー運賃改定は1993年以来31年ぶりとなる。

 

タクシーの運賃改定は、地区ごとに事業者が各地方運輸局に申請し、全体車両数の7割を超える申請があれば審査を始める仕組み。九州運輸局旅客第二課によると、15日までに奄美に25あるタクシー事業者のうち14事業者が運賃改定を申請。申請事業者の合計保有車両は162台で奄美地区の総車両数207台の78・26%を占めている。

 

奄美地区のタクシー運賃は現在、初乗りが小型車で520円、中型車で560円、走行距離に応じた加算運賃(加算距離・小型車402メートル、中型車359メートル)はいずれも90円となっている。

 

今後、運賃が改定された場合は小型車・中型車の車種区分を廃止して普通車に統合する。事業者からの申請では初乗り運賃の変更ほか、加算運賃を200メートル~410メートルごとに50円~100円とするよう求めている。

 

タクシー業界は新型コロナウイルス禍で利用者が激減し、運転手不足も深刻化。燃料費高騰も事業者の厳しい経営に追い打ちをかけている。こうした背景からタクシー運賃引き上げの動きは全国各地に広がっており、県内では県本土が主の鹿児島A地区と西之表市、熊毛郡、鹿児島郡の鹿児島B地区で、今年8月から普通車初乗り運賃が700円に値上げされた。